HATHA YOGA PRADIPIKA(ハタ・ヨーガ・プラディーピカー) Ⅲ-77~79ではViparita Karani (逆転のポーズ)、つまり重力に逆らうことによる特質した内容が記されています。
SVATMARAMAは、とりわけ SirsasanaとViparita Karaniが効果的であると言及しています。
77. 月から流れる甘露(ネクター)は悟りを授ける性質を持ちますが、それはすべて太陽によって消費されます。それゆえ肉体は老いていきます。
この甘露とは、脳のてっぺんから分泌される液体のことです。
その源はBindu(点)・Savarga(放出する)「甘露のしずくのにじみ出る点」を意味する中枢になります。
このポイントでは微量の液体が形成されると言われています。
この甘露は下へ流れ始め、人生の過程で下層中枢で消費され、老化が起こります。
言い換えるとエネルギーは月の門から太陽の門へと流れ、そこで飲み込まれます。
エネルギーの流れの中で生きますが、この世の営みでは老いをもたらします。
しかし、悟りを齎すためには落下する甘露の消費を回避して、体内に吸収しなければなりません。
これが達成されることで、その肉体の意識は悟りを開き、肉体は死すべき肉の宿命、すなわち退化、腐敗、老い、死を受けずに済みます。
甘露が身体で吸収された結果、細胞維持と若返りが起こります。
78. 甘露が太陽の門に落ちるプロセスを避けるための手段があります。
それに関しては、Shastra(シャストラ:手引書であったり神聖な本)の理論的な研究では十分ではありません。Guruから学ばなければなりません。
79. 修行者(Sadhaka)の臍が上にあり口蓋が下にある状態、つまり太陽の門が上にあり、月の門が下にある時、その状態がViparita Karani、逆転のプロセスと呼ばれます。 GURUの指示によって、それは実り豊かになります。
月の門は甘露を放出し、自然界のプロセス、つまり重力に逆らって太陽の門に落ちる。
これにより、エネルギーの流れが遅くなります。
「月」の属性と「太陽」の属性を交換することによって、太陽神経叢の中の「太陽」と口蓋の上の「月」が入れ替わります。
Viparita Karani Mudra は、エネルギーの流れと老化の通常のプロセスを逆転させます: エネルギーの流れは非常に遅くなり、太陽の門は何も得ることができません。
脳の中枢からの体液の流れを逆転させることに直接関係します。
このプロセスは、直立姿勢(Tadasana)を逆転させることで反転します。
重力の力はすべての体液を自然に下の方に引っ張りますが、頭を下に、足を上にするように体を反転させることで、体液は無理な力や圧力を受けることなく、頭に向かって逆流します。
分からなかった方のために、簡潔に記載すると:この逆転のポーズは、重力に逆らって体を反転させることによって、体液の流れを変え、エネルギーの流れを遅くし、老化のプロセスを遅らせる効果があるとされています。
参考文献
Hatha Yoga Pradipika : Swama Svatamarama
Hatha Yoga Pradipika : Swami Muktibodhananda
これは上記以外も読んで、まとめるのに時間が掛かりました。
次回はどうするか未定ですが、続く。