アイアンガーヨガでは立位(Utthistha Sthiti)が土台となります。
その理解に基づいて、座位や捻り、逆転等々に展開していきます。
なぜ立位が重要視され、なぜ立位から始めるのか考えてみましょう。
立位では脚を使用し脚だけではなく、上体の強化や柔軟性の向上、さらには方向性などの理解も得られます。
人は寝る時以外はいつも背骨に支えられています。
立っていても、座っていても背骨には重力が掛かっています。
年を取ると背が縮むといいますが、何がどのように縮むのか。
なぜ縮むのかを考えなければなりません。
背骨には腰部で5個、胸部で12個、頸部で7個の椎骨(竹の様に骨が並んでいる様)があります。
その椎骨が前後や左右、捻る動きには椎間板が無くてはなりません。
日中、重力によって椎骨が圧縮されるのです。
[WSの休憩時間 はノート書きを行うか、やはり仰向けで休息です]
意識せずに長時間立っていたり、座っていると肩が凝ったり、腰が痛くなります。
例えば、Dandsana(長座で座る)を何も考えずに10分行えば、どのようにあるでしょうか?
人によっては腰が痛くなってきます。あるいは肩が重い、頭も痛い。それは背骨が上体を支えているからです。
それだけではなく呼吸器や内臓にも影響が出ます。
なんとなく立っていても同様です。
背骨を伸ばして行った呼吸と、背中を丸めた時では呼吸の質が変わります。
あるいは十二分に食事をした時、女性であれば月経時や妊娠中などにおいて観察すると通常と異なることが顕著に理解できます。
「まっすぐ立つ」の一言でも、実際は外側の骨格や筋肉、関節だけではなく、内臓器官や呼吸器官、ましてやそのうちのどこかが痛い時などにおいては、どのように気持ちに作用し相互が繋がっているか分かると思います。
つづく