ヨガを行うとき誰かと比べない。などと、良く言われると思いますが。誰が誰と比べているか?
パノプティコン様式監獄の構想をご存じですか?
昔レッスンの時にお話したこともありますが、好きな内容で聞いてない方もいると思うので。
監獄と言えば、アルカトラズ島の監獄が有名だと思います。
世界で最も脱獄の難しい刑務所と言われています。
昔映画を見た感じだと、監獄の作り方はどこぞの映画で見たことがあるような大部屋カプセルホテル?のような感じに設計され、高所の一方向から監視できたそうです。見えるのは鉄柵周辺になり、部屋の奥までは見えなかったと思います。
気になる方は映画「アルカトラズからの脱出」か「THE ROCK」をご覧ください。
[南インド kanyakumari カンニヤークーマリーです。海に建設されています。アルカトラズ的??]
それと比べてパノプティコンの設計理由がとても興味深いです。
Wikipediaをリンクしているので、興味があればご自身で見てください。
通常の監獄との差異ですが、この監獄は円筒形の内側壁面に部屋をぐるっと作り、真ん中に監視塔を置く設計です。
監視塔からは全ての方位を確認できる状態になっています。
カプセルホテル式だと、監視員が見て回らなければ部屋の奥まで見えないため囚人を確認できませんが、パノプティコンの設計だと監視塔から全ての部屋が確認できるのです。現在ならカメラを取り付けるのか?!
僕の説明では分かりにくいので、画像を借りて。
(画像左上)Wikimedia Commonsから
この設計の何が凄いか。
各々の囚人から監視塔に人がいるか分からない設計にしたそうです。
監視塔からは全方位の囚人を確認することが出来るのですが、囚人側からは見えない設計になっているので看守が見ているかどうか分からないのです。
監視塔に何人いるか分からない。誰が見ているか分からない。
見られているかもしれないし、見られていないかもしれなそのような状況下で囚人たちにどのような効果が起こるかと言えば、見られているかもしれないと言った心理が働くのでしょう。
その結果○○となると考えられたわけですが、ご自身で調べてください。
[アジャンタに行った際の写真。みんなが見ている(笑)]
当初はインド国内を回る時間があったのだけど。今はヨガして帰国です。
アルカトラズを脱走する際は、看守の見回りが来るまでスプーンで壁に穴をせっせと掘り進めて脱走したわけですが、パノプティコンの設計になると見られているかもしれないと思い、従順にならざる得ない状況です。
哲学者のベンサム(イギリス)という方が設計したのですが、結局イギリスでは建設されなかったようです。
のちに、アメリカで建設されたようです。興味があれば、調べてご自身の脚で確かめに行ってみてください。そして話を聞かせてください。
[Maduraiのアシュラムにて、掘ってる風]
すごい発想の監獄でしたが、日照量不足等々の問題を抱えていたので建設されなかったようです。(☚ご自身で確認してください。)
高校時にコンビニ弁当を詰め込む工場のアルバイトをしたことがありますが、屋内プールで保護者が子供を見るための待機場所があるように、2階分くらい高いところにコントロール室があり、工場長?のような人が監視し、指示していた覚えがあります。この場合は指示するためのように思われますが、見られている気がして真面目に作業しなければならないのは間違いないです。真面目だったかは別として。
[山のお弁当、玄米おにぎりとチョコレート]
実際に起こっている以上に自身が衝動を生み出し、その特性を突いた設計なのです。
何が言いたいかと言えば、日常において人は他人を思っているほど見ていませんが、見られているという意識を自分自身で創り出しているのです。
もちろん見てる時もありますが、次の瞬間にはその人がどのような服を着ていて、どのような髪形、靴、マニュキアの色などなどを覚えているかと言えば、覚えていないそうです。見ていたとしても見ている風なのです。見ているスタイル(笑)
炒めることなく、炊き込んだ物を炒飯を言うような感じでしょうか?
[見てないどころか、目が閉じてます]
ヨガにおいても比べているのは他人ではなく、結局は自分自身で創り出しています。大事なことは自分自身を見ることです。相手を気にして行っているとしたら、それはその人のためにヨガをしているのと同じです。
僕が皆さんの近くに行った時に膝が伸びる、腕が伸びる、上体が上がる、キープを頑張る、再度行う等々の事が起こりますが、それは僕のためです。
ありがとうございます。となります(笑)
そうではなく、自己を知り、見つめるために行うことが大切です。
それにしてもパノプティコンは興味深かったと思います。
アサナ名より覚えられそうでしょうか?(笑)
[みんながすぐ諦めてしまうポーズ!!]