アイアンガーヨガでは様々なプロップス(道具)を使用します。
以前、書いたように一番身近なPropsは身体です。それでも身体で足りない部分を補うようにすることで、正確さや作用等を齎してくれます。
よく見るPropsの中にはベルトやブリック(ブロック)・ボルスター等があるかと思います。
其々の使い方の考え方は同様であるが、その使い方が異なる。
脚や手がそれぞれの状況によって使い方が異なるのと同じです。
ボルスターを使うときも、仰向けで効果を出すために使用する時と脚の間に挟んで逆転(Inversion)して得るものはその際は異なりますが。
片方はSukha(快楽)であり、片方がDukha(痛み)とすぐに気が付きます。しかしながら、脚がボルスターを安易に挟むことが出来るほど安定した時、私たちに齎すのはDukhaだけだろうか。
そうではなく、その安定がSukhaを齎し自己の内側にSukhaが徐々に浸透します。
以前にも記載したように?あるいはレッスンで言っているように、ヨガ・スートラの2・46 Sthira Sukha Asanamとあります。
自身で調べて、自己のものにしてください。
お勧めはグルジーの著書 Light on Yoga Sutra Patanjali です。
元気な人にとってPropsに寄りかかって得れるエネルギーは知れています。もちろん身体が弱い人にってはPropsから安心感や勇気等のエネルギーのきっかけを見出せますし、身体に問題があるときはDukhaの欠片を隠し身体を癒してくれます。
相互に作用していることが分かりますね。
そうは言っても、やったら元気な人がすぐにボルスターの上にあお向けになったり、上半身をボルスターに乗せてPaschimottanasana(座位前屈・身体の後ろ側を伸ばすポーズ)を行ったならばエネルギーが全身に浸透するほど広がるだろうか?
身体を使用するための方向性や正しいPropsの使用方法も知らないので、腰が痛くなったりします。
あるいは、初心者は目がさえたり、言われたことを聞いて思考が働きすぎたり、手足が動いたりしていないだろうか。目をつぶっても眼球は動いているし。(もちろん成熟した生徒だったら、その様に使用してから立位や逆転を行い、心理的、精神的に齎される変化を観察したりもします)
元気な時は自己からエネルギーを引き出すことが大切です。
それはアサナで外側の身体のダイエットや強さ、見た目のアサナの完成度の事だけを言っているのではなく、アサナが身体、呼吸、心理、精神に繋がり自己から勇気や安心感を齎すことを言っています。
心身全体に浸透するようにさせることによって得れるエネルギーは絶大です。そのためにPropsを使用するのです。
*その人の状況によっては画像も寄りかかっているのと同じです
例えば、初心者が腰に問題があるときにフロアーの真ん中でArdha Chandrasana(半月のポーズ)を行うリードをされたとき、身体は緊張し、痛みをイメージし、肉体的にだけではなく精神的にも不安が体中を覆いつくすでしょう。
その様な時に背中を壁に当てるように、また手の下にブリックを使用して行ったときにどのような作用が齎されるか理解できるだろうか?腰にとって良薬でも使い方が分からないと猛毒になります。
もっと単純な例でいえば、昔は線路を頻繁に歩きましたよね。東京でも歩けました。歩かないか(笑)
線路はソール(足裏)がほぼ乗るくらい幅があります。 しかし、その上でVrksasana(立木のポーズ)を行ったならば、たいていの人は立てないが、線路の周りにブリックを並べて平坦にしたらどうだろうか? そのようにして何を得ていくか考えて行わなければならない。
いつも寄りかかってしまうだけだと、土のエレメントが私たちを侵食します。5エレメント(Pancha Maha Bhutas)の話はそのうち。身体を作っている粗大な要素です。
簡単に言えば、快活だった人も怠惰になり、だるくなるのです。
もちろん、快活さが必要な時間と就寝に向けて行う内容は変える必要がありますが。
昔、某大手のヨガスタジオで監視間の様な役割の時に、日中に1時間ほぼ寝るようなレッスン経験したことあります。
その際は、そのあと「レッスンしたくない病」にかかりそうでした(笑)